日本船主協会

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A:海洋環境

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1.油による汚染防止(附属書 I)

 世界における油流出の最大量は、1990 年1月の湾岸戦争時に戦争目的から人為的に原油生産中の油井を爆破して、ペルシャ湾内へ約100万トンの原油を流出させたものである。その他、過去において、メキシコや北海、中東等の原油生産地で石油掘削中における爆発や自噴等で多量の原油が流出した例は多い。
 一方、船舶からの油流出事故も後を絶たない。特に、原油タンカーの大型化に伴い、衝突や座礁による海難事故発生時の汚染規模および油濁被害は甚大なものとなる。しかしながら、石油会社や海運会社による油濁防止対策の強化等により、船舶からの石油(原油および石油製品)流出量は劇的に減少している。
 また、船舶による海洋汚染に関する包括的な要件は73/78 MARPOL条約で定められ、同条約の附属書Iによって船舶からの油による汚染を防止するための構造や設備要件、基準濃度を超える油水等の排出禁止等が規定されている。船舶の油濁防止対策の過程を振り返ると、MARPOL条約が採択される以前も含めて、概ね次の5段階に分けられる。なお、それぞれの概要は後述する。

第1段階:1978年2月の73/78 MARPOL条約採択まで。同条約の適用を受けない船を総称してPre-MARPOL船と呼ぶ。

第2段階:73/78 MARPOL条約の採択以降。同条約の適用を受ける船をPost-MARPOL船と呼ぶ。

第3段階:1990年8月の米国油濁法OPA 90の成立。米国水域内へのタンカーの入港を制限する法律で、ダブルハル(二重船殻)の要件が導入された。

第4段階:1992年3月の条約附属書Iの改正による、ダブルハル要件の義務付け(新造船)とシングルハルタンカー(既存船)のフェーズアウト(段階的排除)。

第5段階:1999年12月の「エリカ号(Erika)」事故、2002年11月の「プレスティージ号(Prestige)」事故を受けて、フェーズアウト時期を前倒するなど条約附属書Iの改正が行われた。

■資料5:世界の石油海上荷動き量と流出量
■資料6:世界の油流出量に関する統計(ITOPFホームページ)
■資料7:主要なタンカー油流出事故について(国土交通省)
■資料8:世界の船舶による主な石油流出事故一覧