日本船主協会

トップページ環境問題>環境インフォメーション

海運業界の取り組み 海運企業の取り組み 海運業界と環境問題

A:海洋環境 1.油による汚染防止(附属書 I)

1 2 3 4 5 6 7 8

(1) (2) (3) (4) (5)_1 _2

(5)シングルハルタンカーに対するフェーズアウト時期の前倒し

2.プレスティージ号事故

 2002年11月13日にスペインのガルシア沖で折損沈没事故を起こし、ガルシア沿岸の190kmにわたり汚染した「プレスティージ号」の事故は、「エリカ号」事故を受けて改正されたばかりのシングルハルタンカー(SHT)に対するフェーズアウト時期を更に早めるものとなった。
 この事故を受け、欧州連合(EU)は、同年12月、フェーズアウトの前倒しなどSHTに対する一連の規制強化策についてEU地域内での実施を打ち出すとともに、2003年4月に開催されたIMO第49回MEPCに対してMARPOL条約附属書Iの改正を求める提案を行った。
 この会合では、EU提案が世界のエネルギー輸送に与える影響や、若齢のSHTが 2010年で使用禁止されることを懸念する意見が日本、ブラジル、インドなど、アジアや中南米の国々から提出されたが、最終的には、SHTの最終使用期限をEU案と同じ2010年とし、CASを条件に2015年までは一定船齢まで使用できるとする延命規定を盛り込んだ条約改正案が作成され、2003年12月に開催される第50回MEPCにおいて採択の運びとなった。
 しかしながら、EUはIMOによる国際規制への道筋が見えたにも拘らず、2003年10月21日、独自のSHT規制をEU域内において一方的に導入した。この直後の12月1日から開催された第50回MEPCでは、国際的なルールの実施に向け、MARPOL条約附属書Iの改正案を審議し採択(12月4日)した。採択された改正条約の概要は以下のとおりであり、2005年4月5日に発効する。

■ 資料10:「プレスティージ号」事故の概要
■ 資料11:CAS(Condition Assessment Scheme)について

Pre-MARPOL船(カテゴリー1):SHTの最終使用期限を、これまでの2007年から2年前倒しして、2005年4月5日までにフェーズアウトする(1982年4月5日以降の引き渡し船は2005年の引き渡し日まで)。

カテゴリー2(MARPOL船)とカテゴリー3(5,000DWT以上20,000DWT未満のSHT)については、SHTの最終使用期限を原則2010年とし、旗国が認めれば2015年まではCASを条件に一定の船齢まで使用できる。

全貨物タンクに亘り二重底または二重船側を有するタンカーは、CASを条件に旗国の判断により船齢25年まで運航を認めることができる。但し、入港国は2015年以降これらの船舶の入港を拒否することができる。

CAS適合船は、旗国の判断により2015年または船齢25年の早い時期までの運航を認めることができる。但し、入港国は2010年以降これら船舶の入港を拒否することができる。

CASの適用を拡大・強化し、2005年4月5日以降、船齢15年以上のカテゴリー2および3のSHTは以下のとおりCASを受けなければならない。

1回目のCASは、2005年4月5日または船齢15年に到達する日のうち、いずれか遅い日以降の最初の中間/定期検査時に実施する。

2010年以降に船齢15年に達するSHTは、2010年以前の中間/定期検査時にCASを実施する。

初回のCASの有効期限が2010年の引き渡し日を超える場合は、同CASを2010年以降延命するためのCASとして取り扱うことができる。

2回目以降のCASは、5年6ヶ月を超えない間隔で実施する。

■資料12:シングルハルタンカーのフェーズアウト規制内容の推移:別TEXT