日本船主協会

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A:海洋環境 7.バラスト水の管理に関する国際条約

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(3)条約の概要

 採択されたバラスト水管理条約の概要は以下のとおりである。

1.条約の目的:船舶のバラスト水および沈殿物を通じて、有害な水生生物等の移動により生じる生態系への影響を防ぎ最小化すること。

2. 適用船舶:バラスト水を所持しないように建造された船舶、軍艦、一締約国の管轄水域内のみを航行する船舶以外の船舶

3. 船舶に要求されるバラスト水管理:船舶を<表1>のように建造年、およびバラストタンクの総容積により区分しバラスト水の処理を強制化する。

4.バラスト水交換海域:船舶が、バラスト水交換を行う場合には<表2>の海域で交換を行う。

5. 装置による処理を行った場合の排出基準:船舶がバラスト水を排出する場合には、含まれる水生生物の量を<表3>以下とする。

6.寄港国による検査:寄港国は、船舶に対しバラスト水管理の記録、処理装置の型式承認証書の点検に加え、サンプリングによるポートステートコントロール(PSC)を行う権利を有する。

7.条約発効要件:30ヶ国以上の締約国が批准し、それらの合計商船船腹量が世界の35%以上となった時点で発効し、12ヶ月を経過した後適用される。

<表1:船舶に要求されるバラスト水管理>

区分

バラストタンク総容量

適用時期

処理方法

2009年より前に建造された船舶

1500~5000 M3

条約発効時~2014年

交換、または
装置

2014年以降

装置

1500以下又は5000 M3以上

条約発効時~2016年

交換、または
装置

2016年以降

装置

2009年以降に建造された船舶

5000 M3未満

2009年以降

装置

2009年~2012年の間に建造された船舶

5000 M3以上

条約発効時~2016年

交換、または
装置

2016年以降

装置

2012年以降に建造された船舶

5000 M3以上

2012年以降

装置

<表2:バラスト水交換海域>

1

原則

陸岸から200海里以上離れた、水深200m以上の海域

2

1の海域で交換不可能な場合

陸岸から50海里以上離れた、水深200m以上の海域

3

1、2の海域で交換不可能な場合

寄港国が定めた交換海域

(船舶は、1,2の海域でバラスト水交換を行う場合、予定の航路からの離脱、迂回をする必要はない)


<表3:装置による処理を行った場合の排出基準>

対象水生生物

排出基準

備考

50μm以上の水生生物
(主に動物性プランクトン)

10個 / M3 以下

外洋の海水に含まれる水生生物より更に少ない基準

10~50μmの水生生物
(主に動物性プランクトン)

10個 / ml 以下

病原性コレラ

1 cfu / 100 ml 

日本の海水浴場の基準よりやや厳しい基準

大腸菌

250 cfu / 100 ml

腸球菌

100 cfu / 100 ml 

(cfu:群単位、寒天培地基を用いてその平板上に検水を塗布し形成される群体数)