日本船主協会

トップページ環境問題>環境インフォメーション

海運業界の取り組み 海運企業の取り組み 海運業界と環境問題

B:油濁防除 1.OPRC条約

1 2 3 4

(1) (2)

(1)経緯

 1989年3月24日未明、アラスカのバルディーズ港から原油126万バレル(約20万kl)を満載してロングビーチ港へ向け出港した「エクソン・バルディーズ号(Exxon Valdez)」(211,469 DWT、1986年米国建造)は、バルディーズの南西22マイルの地点で座礁した。
 13の貨物油タンクのうち11個に破孔を生じ、回収機材輸送の遅れもあって、最終的に26万バレル(約4万1000 kl)の原油が流出し、約2500キロの海岸線が汚染された。漂着した原油により、推定10万羽の海鳥や100万頭の海洋生物の命が奪われ、海洋生態系は極めて大きな影響を受けた。エクソン社は、原油を除去するために1500の船を使用し、12,000人が手作業で除去作業を行うなどして、この除去作業に20億ドル以上を費やした。これを契機として、米国では1990年米国油濁法(Oil Pollution Act of 1990:OPA 90)が成立し、油タンカーのダブルハル規制が開始された。
 一方、IMO(国際海事機関)では、「エクソン・バルディーズ号」事故を受け、1992年3月に油タンカーに対するダブルハル要件の導入など構造基準強化を目的としたMARPOL条約附属書Iの改正案を採択(1993年7月6日発効)するとともに、大規模な油濁事故には国際協力体制で臨むことが必要であるとの認識から、油防除のための条約案の検討を開始した。
 この結果、1990年11月30日に「油汚染に対する準備、対応および協力に関する国際条約(International Convention on Oil Pollution Preparedness, Response and Co-operation,1990 :OPRC条約)を採択するに至った。
 本条約は、1995年5月13日に発効したが、我が国は、同条約締約に先立ち、1995年5月12日に「海洋汚染および海上災害の防止に関する法律」を改正し(1995年5月13日施行)、1995年10月17日にOPRC条約を締約した。