日本船主協会

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B:油濁防除 1.OPRC条約

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3.有害危険物質による汚濁損害補償

  油タンカーの海難事故による油濁損害については油濁二条約によりカバーされているが、有害危険物質の海上輸送についても同様の体制を整備すべきであるとの意見が高まった。このため、IMCO(IMOの前身)は1976年からガス、化学物質等の有害物質および危険物質の海上輸送に係る損害による被害者の救済の充実、環境保護等の観点から、油濁事故の場合と同様の賠償および補償制度を確立するための条約案について検討を開始し、1984年には条約採択のための外交会議が開催されたが、結局、合意には至らず、IMOに差し戻しとなった。  しかし、その後の環境問題に対する世界的な意識の高揚や1989年3月24日の「エクソン・バルディーズ号(Exxon Valdez)」の事故等を契機として、条約の早期採択を求める意見が多数を占めたため、1990年4月よりIMO法律委員会で審議が行われた結果、「危険物質および有害物質の海上輸送に伴う損害についての責任ならびに賠償および補償に関する国際条約(International Convention on Liability and Compensation for Damage in Connection with the Carriage of Hazardous and Noxious Substances by Sea, 1996:HNS条約)に関する外交会議が開催され、1996年5月3日に採択された。  本条約の概要は次のとおりであり、200万GT以上の船腹量を有する4ヶ国を含む12ヶ国が批准してから18ヶ月後に発効する。但し、当該国において、HNS Fundへの拠出義務を負う者が、一般会計に対する拠出貨物を総量で少なくとも4,000万トン以上(前暦年実績)受け取っていることを条件とする。

<HNS条約の概要>

船舶による海上輸送中の有害危険物質により発生した損害賠償および補償について、船主に厳格責任を課す。

一定の限度額を設定するとともに、これを強制保険で担保する。船型により1000万SDR(約16億円:160円/SDR)~1億SDR(約160億円)。

船主の責任を超える部分については、荷主が拠出する国際基金(HNS Fund)が補償を行う。全体の補償額の上限は2億5,000万SDR(約400億円)。

条約の対象:各種の化学物質、石油、LNG、LPG等(石炭、製紙用チップ、放射性物質は適用除外)。

■資料5:HNS条約の基本的な枠組み