日本船主協会

トップページ環境問題>環境インフォメーション

海運業界の取り組み 海運企業の取り組み 海運業界と環境問題

F:サブスタンダード船排除 2.ポートステートコントロール

1 2 3

(1) (2) (3)

(1)概要

 ポートステートコントロール(PSC)とは、IMO(国際海事機関)やILO(国際労働機関)等が定める国際条約の基準に適合していない船舶、いわゆるサブスタンダード船(SS船)を排除するために、船舶の寄港する国(寄港国:ポートステート)の監督官が入港船舶に対して船舶の設備、乗組員の資格などについて条約に適合しているかどうかを検査(臨検)することであり、各条約によってこの権限が認められている。寄港国は、外国籍船が入港するとPSCを実施し、欠陥が発見された場合には欠陥の改善命令、航行停止処分等の処分を行っている。
 1981年、IMOにおいてPSCについての監督手続きに関する決議が採択されたことを契機に、世界的にPSCが本格的に実施されることとなった。わが国は1983年から船員の資格・航海当直体制にかかわるPSCを、1984年から船舶の構造・設備にかかわるPSCを本格的に開始し、その後も逐次その充実強化を図っている。
 PSCは、当初、各条約証書の確認および各条約に定める船体の構造や設備に関する、いわゆるハード面を中心としたチェックが実施されてきたが、1980年代後半より人為的なミス(Human Factor)による海難事故が相次いだ(「E.安全運航」参照)ことから、ソフト面におけるPSCの必要性が生じてきた。そこで、1994年5月に開催されたSOLAS条約締約国会議では、SOLAS条約に新たに第XI章「海上の安全性を高めるための特別措置」を追加する条約改正案を採択(1994年5月24日)した。これにより、乗組員が船舶の安全に関する重要な手順(設備の操作等)に習熟していないと信ずる明確な根拠がある場合には、「操作要件(operational requirements)」についてもPSCにおける臨検対象に含まれることとなり、1996年1月1日に発効した。また、同時に採択されたSOLAS条約第IX章「船舶の安全運航の管理」の下で強制化された「国際安全管理コード(ISMコード)」も、船員の技能、船内の指示命令系統および会社全体の安全輸送への取り組みなどソフト要件の強化を目的としたものであり、当然ながら同コードが適正に履行されているかどうかについてのPSCが実施されている。

■資料4:PSC実施の流れ