| 神泉丸(RORO船/泉汽船・栗林商船) |
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オリジナリティ豊かな技術をバックボーンに モーダルシフトの新時代を拓く新鋭RORO船 |
| 神泉丸 | 主 要 目 | |
|---|---|---|
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全 長 | 160.56m |
| 全 幅 | 26.60m | |
| 深 さ | 15.80m | |
| 喫 水 | 6.815m | |
| 重量トン数 | 6,500D/W | |
| 総トン数 | 12,644G/T | |
| 搭載能力 ヘッドレスシャーシ 商品車(中型) ロールペーパー |
150台 200台 2,000個 | |
| 主機出力 (最大) |
15,886kw | |
| 航海速力 | 21.20knots | |
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自動車への依存度が高い国内雑貨輸送を、海運や鉄道という別の輸送モードに振り替える、いわゆるモーダルシフトは、地球環境保護の観点からもいま時代の趨勢となっている。同一輸送単位あたりのCO2(二酸化炭素)排出量が営業用トラックの約5分の1というクリーンさが魅力の内航海運は、モーダルシフトに最も適した輸送機関といえる。 その受け皿の主力が内航RORO船。最近では高速化も進み、所要時間の点でもトラックや鉄道に引けを取らない輸送機関として認知度が高まっている。我国でのRORO船のパイオニアとして、栗林商船はモーダルシフトの推進に大きな役割を果たしてきた。 「神泉丸」は2002年3月15日に竣工した同社の最新鋭船。すでに先行して釧路と大阪を結ぶ航路に就航している「神明丸」および「神瑞丸」と同型船で、栗林商船ならではの技術力とノウハウが息づく大型・高速RORO船だ。 先行した2隻と異なる点は、神明、神瑞が自社船であるのに対し、「神泉丸」は泉汽船が建造・保有し、栗林商船が用船するという形態にある。他者が建造した船を用船して運航すること自体は珍しくはないが、自社船と同型の船を用船を前提に他社が建造するというケースは内航海運では珍しい。 満載で21ノットの速力は、30ノットクラスの高速RORO船が登場している現在、決して速くはないが、「神泉丸」の運航形態を考えれば、それは最適のものといえる。1週間で釧路/仙台/東京/大阪/東京/仙台/苫小牧/釧路を結んでワンラウンドする、いわば各駅停車型の運航スケジュールだ。 |
![]() ▲荷役中の姉妹船 「神瑞丸」 ![]() ▲「神泉丸」の運航ルート |
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モーダルシフトといえば高速船による遠距離のシャトル輸送のイメージが強いが、荷主側にはそれとは異なるニーズもある。例えば急がないが運賃負担率を低く押さえたい貨物で、輸送距離が短いもの。従来トラック輸送という選択肢しかなかった荷主にとって、それは痒いところに手が届くサービスということになる。 しかしそうした運航スケジュールを実現すること自体、実は簡単なことではない。寄港地が多ければ、離接岸の回数もそれだけ多い。ワンラウンド1週間で年間約50航海すれば、その間の離接岸作業の回数は約700回に達する。これをすべてタグボートなしで安全・確実に行うために、「神泉丸」には栗林商船ならではの高度な技術やノウハウが盛り込まれている。 離接岸時の操船は完全にワンマン化されている。船主と船尾に備えたサイドスラスター、前後進および停止を容易に切り替えられる可変ピッチプロペラ、同社が開発した低速性能の高いフラップラダー(先端にフラップをもつ舵)を、ジョイスティック1つで一元的にコントロール。前後進はもとより、斜航、横移動、旋回など自在な操船を船長1人で行うことができる。 ハードな運航スケジュールを可能にする技術やノウハウはエンジン回りにも盛り込まれている。セントラル・ウォーター・クーリング・システムは、機関の冷却に海水を使わず、清水を海水で冷却してリサイクルする方式。パイプラインや熱交換器に汚れがつかず、腐食の心配もないこと、約20度の海水温度差のある釧路と大阪の間を航行しても二次冷却水の温度を36度に保てるため、機関や機器の温度調整が容易になるなどのメリットがある。 また船舶の主機関は一般に入出航時と航海中でA重油とC重油の切り替えを行うが、同社ではすべて単一の油種(C重油)で運転を行うモノフュエル・システムを採用している。これにより切り替え時に発生する燃料噴射系統の温度変化が防げ、トラブルが軽減される。機関部の作業が単純化され、省力化にもつながる。 |
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さらに船内での廃油処理にも独自のノウハウを投入し、環境汚染の防止にも最大限の配慮をしている。こうした栗林ならではのユニークな技術やノウハウはほかにも書き切れないほどある。 先行する2隻の運航に伴って、商品車輸送のニーズが高いことがわかり、「神泉丸」では建造時から最上層に新たに120台分の商品車積載スペースを確保。神明、神瑞の2隻の姉妹船もすでに同じ仕様への改造が行われた。新たなニーズへのスピーディーな対応は、RORO船のパイオニアとして時代をリードしてきた同社ならではの進取の気性のあらわれといえよう。 この秋、同航路にはさらに1隻が加わり、4隻運航体制となる。ユーザーの利便性はさらに高まるはずだ。 オリジナリティ豊かな技術とノウハウをバックボーンに、「神泉丸」はいまモーダルシフトの新たな時代を力強く切り拓こうとしている。 |
![]() ▲スロープを登って船内に 積み付けられる商品車 |