[主な事件の概要] |
(1) |
2005年3月14日、インドネシア時間の17時35分頃、「Kuroshio 1」号を曳航中の日本籍タグボート「韋駄天」号が、マラッカ海峡においてロケット弾等の重火器で武装した海賊に襲撃され、同船の船長、機関長、3等機関士が誘拐された。海賊は、同船に曳航されていた「Kuroshio 1」へも乗込もうと試みたが失敗し、その場から立ち去った。乗組員はIMB 海賊情報センターに事件を報告し、マレーシア海上警察のパトロール船が直ちに現場に急行した。同2隻はこのパトロール船により、マレーシア・ペナンへ護送された。後日、誘拐された船長以下3人は無傷で解放されたが、そのために身代金が支払われたかどうかは不明である。
|
(2) |
2005年8月21日、スリランカの貨物船「MV Cey Pioneer」号が、イラクUmm Qasrの東、Abd Allah錨泊中に武装した海賊に襲撃された。マシンガン等で武装した6名の海賊が本船に乗り込むと、当直航海士等数名の乗務員を人質に取って暴行におよび、金庫を開けるように要求した。しかし、海賊襲撃中、船長はエンジンルームに隠れており、金庫を開けることのできる者がいなかったため、海賊は金庫ごとスピードボートに積み込み、その場から逃げ去った。
1週間後、同じ場所で、パナマ籍のLPGタンカーがやはり武装した海賊に襲われ、金品を奪われている。
|
(3) |
2005年10月3日、セントヴィンセント/グレナディーン籍の一般貨物船「MV Torgelow」号が、ソマリアKismayu付近の東海岸沖50海里を航行中にハイジャックされた。同船は、同年6月にハイジャックされ、先頃解放された「MV Semlow」号に供給するための燃料等を輸送しているところであった。海賊は、船舶・乗組員解放の見返りに身代金を要求し、身代金を受け取った後、11月29日に彼らを解放した。
|