[主な事件の概要] |
(1) |
2006年7月2日、インドネシア時間の9時30分頃、航行中のインドネシア籍「Pacific Spirit」号が、マラッカ海峡において、重火器で武装した海賊に襲撃された。同船は、インドネシア・北スマトラLhokseumaweへ国連の津波救済物資を運ぶチャーター船であった。軍の作業着を着た6名の海賊は、貨物書類を見せるように要求し、現金と乗組員の私物等を奪い立ち去った。その際、船長に対し、この件を報告した場合、次回同じ航路を通過する際に殺害すると脅した。
翌日の7月3日、ほぼ同じ場所で同じような時刻に、国連津波救済物資輸送船「Bintang Samudra」(インドネシア籍)が12人の海賊に襲撃され、現金、燃料等を奪われた。海賊はアチェ州独立派のゲリラである自由アチェ運動(GAM)のメンバーを名乗っていた。
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(2) |
2006年2月17日20時55分頃、シンガポールの貨物船「Name Withheld」号が、バングラデシュ・チッタゴンに錨泊中、10名の海賊に襲撃された。海賊は乗組員1名を人質に取り、暴行を加え、縛り上げた上、喉元にナイフを突きつけ脅した。当直の航海士が警報を鳴らし乗組員が集められたが、海賊はロッカーを壊し、船用品を奪って逃走した。船長は沿岸警備隊と港湾当局にこの件を報告したが、沿岸警備隊が捜査のためにやって来たのは翌日であった。
また、同船は同年3月4日深夜、同じ場所で錨泊中に12名の海賊に乗船されそうになり、一旦は退けたものの、約4時間後に再び襲撃され、海賊に乗り込まれた。この件に関しても、沿岸警備隊および港湾当局に報告している。
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(3) |
2006年11月1日19時30分頃、セントキッツ&ネーヴィス籍の一般貨物船「MV Veesham I」号が、ソマリアElmann沖を航行中に武装した海賊にハイジャックされた。海賊は同船をObbia(北方)へ向かわせ、船長以下14名の乗組員と同船の解放の見返りとして身代金を要求した。
11月7日、イスラム法廷連合(The United of Islamic Court)の民兵が、銃撃戦の末、海賊から同船を奪い返した。この銃撃戦で海賊2名が負傷したが、乗組員に怪我はなく、同船は船長に引き渡された。この件に関し、身代金は払われてはいない。
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