[主な事件の概要] |
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2009年1月17日22:00頃(現地時間)、バハマ籍のタンカー “Front Chief” がナイジェリア・ボニー湾沖で錨泊中に武装海賊に襲撃された。同船にはタグ船が繋がれており、先ずタグ船が攻撃され船長が殺害された。タグ船襲撃の後、海賊のモーターボートはタンカーに向けて手榴弾を投げてきたが、幸いにも大事には至らなかった。海賊は発砲しながらタンカーに乗込み、乗組員の居住区に侵入してきたため、乗組員は施錠したエンジンルームに隠れた。海賊は同船を物色し、船舶および乗組員の物品を強奪し、約1時間後に去っていった。同船から救難信号が発信されたが、港湾事務所はそれを知りながら何も行動を起こさなかった。
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(2) |
2009年2月19日現地時間14:30頃、シンガポール籍のバージ ”Miclyn3316” を曳航していたタグ船 ”Nancy5” が、マラッカ海峡を航行中にボートに乗った12人の武装海賊に襲われた。海賊はタグ船に乗込みナビゲーションと通信機器の全てと乗組員の私物を盗んでいった。また海賊は船長と1等航海士を連れ去り、身代金を要求した。海賊が去った後、2等航海士がタグ船を近くの港に入港させ、直ちに当局に事件を通報した。後日、誘拐された船長と1等航海士は無事解放されたが、2人の解放に当たり身代金が支払われたと思われる。
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(3) |
ソマリア東岸沖を航行中のコンテナ船 “Maersk Alabama” (米国籍)が、2009年4月7日11:40頃(世界時)海賊に襲われた。小型船に乗った海賊は自動小銃を携帯しており、発砲しながら同船を追いかけてきた。海賊は本船に乗込みハイジャックした。翌4月8日、乗組員は同船を何とか取り戻すことができたが、海賊は船長を人質に取り、救命ボートで逃げ去った。このため、4月12日に海軍が船長救出のため出動し、銃撃戦の末、船長を無事救出した。その際、海賊1人を拘束したが、残りの海賊は死亡した。
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(4) |
2009年4月26日11:30頃(世界時)、アデン湾を航行中のイエメン籍のプロダクトタンカー “GNA” が武装海賊に襲撃された。海賊は同船をハイジャックし、乗組員全員を人質に取った。4月27日、イエメン海軍が乗組員と船舶の救出に現地へ向かった。そこで銃撃戦となり、乗組員1人が死亡、1人が行方不明となったが、残った乗組員は無事救出された。海賊2人も死亡し、残りの海賊は全員拘束された。
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