7・6 乗組員の安全および災害防止対策

 

761 船員災害防止実施計画

船員災害防止実施計画は、「船員災害防止活動の促進に関する法律」に基づき、5年毎に策定する船員災害防止基本計画の実施を図るためのもので、今回の実施計画は、第8次船員災害基本計画(2003年〜2007)3年目にあたる。

2005年度の実施計画では、船員災害としての船種別死傷・疾病発生率(年間千人率)の減少目標(対前年度比)を、死傷については全体で4(一般船舶3%、漁船5)とし、疾病については全体で4(一般船舶4%、漁船4)に設定している。

また、船員災害防止の重点事項としては、死亡災害減少を目指し、「海中転落」等の防止、多発する「転倒」・「はさまれ」の防止、高年齢船員の増加に対応した死傷災害防止対策、「生活習慣病」の予防、「筋骨格系」の疾患(椎間板障害及び腰痛等)の予防、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関する周知・指導にそれぞれ重点をおいて対策を実施することとしており、また各地域毎の災害発生状況の特徴を踏まえ、必要に応じて地域の災害実態に応じた重点を定める事としている。

推進すべき主要な対策としては以下を掲げている。

1. 安全衛生管理体制の整備とその活動の推進

@      安全衛生パトロールの実施

A      安全衛生教育、講習会等の実施

B      災害事例等に関する情報交換等

2.死傷災害の防止

(1)作業時を中心とした死傷災害防止対策の推進

@   一般船舶における死傷災害防止対策

A 漁船における死傷災害防止対策

(2)海中転落による死亡災害防止対策の推進

@     作業用救命衣等の保護具の使用の徹底等

A     海中転落等に備えた対策

B     「漁ろう装置」、「漁具・漁網」に係る海中転落の防止

C     「波浪」に係る海中転落の防止

(3)          高年齢船員の心身機能の変化に対応した死傷災害防止対策の推進

(4)         船員災害の分析に基づく作業方法の見直しによる安全の確保

3.生活習慣病を中心とした疾病予防対策及び健康増進対策の推進

4.外国人船員に係る安全衛生対策の推進

5.船内における労働・生活環境の整備・改善

6.船員労働安全衛生月間活動

7.船員災害防止協会の事業の充実及び効率化

8.船員災害防止対策推進連絡会議等の活用

 

762 洋上救急事業

洋上救急事業は、海上保安庁の輸送能力を活用し、関係医療機関の協力、関係団体の資金拠出を得て、日本水難救済会が主体となって実施されている。

その主要業務は、わが国周辺の距岸1,000海里以上におよぶ海域の航行船舶からの往診要請に対して、海上保安庁の巡視船・航空機等で医師・看護婦を現場へ急送し、患者に応急措置を施しつつ、病院への移送等を行うものである。

2004年度の洋上救急事業の実績は37回となっており(資料7-6-2参照)、これを加えた198510月以降の出動回数は573回となっている。

当協会は、本事業に対し、この支援のために設立された中央洋上救急支援協議会の構成員として参画するとともに、本事業費の分担拠出に応じる等、積極的に協力を行っている。

 

資料7-6-2] 洋上救急事業の実績

 

 

2004年度()

2003年度()

汽船

14

11

漁船

23

12

合 計

37

23