[資料3-3-2-9]
中国シップリサイクル業界の現状
(中国折船(解撤)協会レポート、概要)
1967年以前 |
シナ海等から回収された沈没船を主として、解撤を実施。 |
1967年〜 |
解撤船の輸入を開始。ヤードはビーチング型で、環境保護と労働安全衛生への配慮は乏しかった。 |
1983年〜 |
中国政府の優遇政策の導入により、船舶解撤業界が急速に発展。ピーク時には、16の省で200のヤードが200万LDTの解撤能力を有し、船舶解撤、伸鉄製造、リサイクル部品の修理等を行っていた。解撤技術も向上し、環境保護の意識も高まりを見せ始めたが、依然としてビーチング型解撤が多く、ドック型のものは僅かであった。解撤サイクルは従前の6ヶ月以上から2−4ヶ月に短縮された。 |
1994年〜 |
税制改正により、解撤予定の輸入船舶への3%の輸入関税と17%のVAT(付加価値税)が導入された。また、インフレ抑制策により、国内の鋼材価格が下落し、シップリサイクル業界は窮地に追いやられる。 |
1998年〜 |
中国折船協会より認定されたヤードに対し、解撤予定輸入船舶へのVATの免除が始まる。ビーチング型からドック型への移行、解撤技術と環境・労働安全に配慮した解撤、解撤工期の短縮(VLCCで30-40日)、など目覚ましい変化が起こる。また、年間30−70万LDTの解撤を実施する事業者も現れた。1998−2004年の解撤量は、876万LDTとなった。 |
2004年〜 |
好調な海運市況により世界的に解撤船舶の量が減少、インド・バングラデシュの解撤業者との価格競争も激しくなる。SSYの統計によると、2004年の世界の解撤量は、487隻(308万LDT)で前年比211隻(300万LDT)減。主要解撤国を見ると、中国、インド、パキスタンで、夫々64.93%、67.6%、71.6%減少し、トルコのみが前年比45.46%増となっている。中国の解撤船輸入量も2004年は前年比1/3の79万LDT。2005年の見通しも厳しいが、2006年以降は好転する見込み。 |
今後の課題等 |
中国の解撤業は、グリーンなシップリサイクルを目指す一方で、中国としての適正解撤量は年間300万LDTが適切と思われ、解撤効率のアップと若干のリサイクル業の拡大も念頭に入れている。 船主に対しては、リサイクル船舶から事前に有害物質を取除くか、そうでなければ有害物質処理費用を解撤船購入価格から除いて欲しい。また、造船、海運、途上国等の出資による基金も提案したい。 |
以上