13 平成18年度政策金融制度および海運関係予算

平成18年度予算については、国土交通省をはじめとする関係省庁が平成18年度予算概算要求事項を平成178月末に決定し、財務省に対して要求を行った。このうち、外航海運に関連する流通効率化・貿易物資安定供給のための財政投融資(日本政策投資銀行融資)については525億円を要求した。

一方、政府において行われていた政府系金融機関の民営化や統廃合についての検討に関連し、平成1711月、国交省海事局より、「政府系金融機関の統廃合等の問題は、今後、経済財政諮問会議において議論されていくことになる。現在、日本政策投資銀行が行っている外航海運企業向けの政策金融についても影響がある可能性もある。」旨の連絡があった。

当協会は本件について政策幹事会において検討を行い、外航海運産業が高品質なサービスを提供していくためには、不断の船隊整備による事業基盤の強化を図っていく必要があることから、外航海運事業に対する低利かつ長期安定資金の政策金融の堅持を求めることとし、114日付で、国土交通省海事局長及び日本政策投資銀行総裁宛てに資料1-3-1および1-3-2の通り要望書を提出するとともに、政府の動向を注視した。

その結果、1224日に閣議決定された平成18年度政府予算案においては、金利等の融資条件については、制度全体として、金利が現行の3つ(政策金利T〜V)から2つに統合されたものの、当該制度については当協会の要望通り、実質現行内容にて存続されることとなった。また融資額については、「広域ネットワーク整備枠」(鉄道・航空等を含んだ大枠)全体に対し2,510億円とされ、海運向け融資はこの枠内で対応されることとなり実質的に満額確保となった。

 

資料1-3-1

船主企第52

平成17114

国土交通省

海事局長 星 野 茂 夫 殿

社団法人 日本船主協会

 会 長  鈴 木 邦 雄

 

外航船舶整備融資制度の維持に関する要望

 

拝 啓 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。

海運事業に関する政策金融につきましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、私ども外航海運産業は、我が国の貿易物資安定輸送を確保するという使命を担っておりますが、その一方で諸外国の海運企業との熾烈な国際競争に晒されております。また、最近は、燃料油価格の高騰、造船船価の上昇などにより、船舶経費が大幅に増加しております。

今後も私ども外航海運産業が高品質なサービスを提供していくためには、不断の船隊整備による事業基盤の強化を図っていく必要がありますが、船舶建造のための設備投資は、巨額の資金を必要とする上、建造期間も長期であり、投資資金の回収は相当長期にわたることから、民間金融による融資のみでは、時々の金融情勢に左右され、長期資金を安定的に供給して頂くことは困難なものと思われます。このため、事業者にとりましては、低利かつ長期安定資金を確保できる政策金融が不可欠であり、また、船舶の建造にあたっての収支採算も多くはこうした安定資金の確保を前提として計画しております。

現在、政府においては、政策金融改革として、政府系金融機関の民営化や統廃合が論議されていると仄聞しておりますが、私ども外航海運産業の果たすべき公益的使命と資金調達面の現状についてご理解を賜り、外航海運事業に対する低利かつ長期安定資金の政策金融を堅持していただきたく、特段のご配慮をお願い申し上げます。

 

敬 具

 

資料1-3-2

船主企第53

平成17114

日本政策投資銀行

 総 裁  小 村   武 殿

社団法人 日本船主協会

 会 長  鈴 木 邦 雄

 

外航船舶整備融資制度の維持に関する要望

 

拝 啓 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。

海運事業に関する政策金融につきましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、私ども外航海運産業は、我が国の貿易物資安定輸送を確保するという使命を担っておりますが、その一方で諸外国の海運企業との熾烈な国際競争に晒されております。また、最近は、燃料油価格の高騰、造船船価の上昇などにより、船舶経費が大幅に増加しております。

今後も私ども外航海運産業が高品質なサービスを提供していくためには、不断の船隊整備による事業基盤の強化を図っていく必要がありますが、船舶建造のための設備投資は、巨額の資金を必要とする上、建造期間も長期であり、投資資金の回収は相当長期にわたることから、民間金融による融資のみでは、時々の金融情勢に左右され、長期資金を安定的に供給して頂くことは困難なものと思われます。このため、事業者にとりましては、低利かつ長期安定資金を確保できる政策金融が不可欠であり、また、船舶の建造にあたっての収支採算も多くはこうした安定資金の確保を前提として計画しております。

現在、政府においては、政策金融改革として、政府系金融機関の民営化や統廃合が論議されていると仄聞しておりますが、私ども外航海運産業の果たすべき公益的使命と資金調達面の現状についてご理解を賜り、外航海運事業に対する低利かつ長期安定資金の政策金融を堅持していただきたく、特段のご配慮をお願い申し上げます。

 

敬 具