8・4 2005年度の内航海運対策

 

8-4-1 国土交通省 内航船舶建造促進アクションプログラム

内航海運業界は、近年、産業競争力の強化に向けた更なる物流効率化への要請や、深刻化する地球環境問題への対応等、課題に応えていくべき内航海運を支える船舶の「少子高齢化」が急速に進展する傾向にある。現状のまま放置すると、単に内航海運業の衰退へつながるだけでなく、造船所の減少に拍車がかかり、内航船舶の建造能力そのものがさらに低下する等、造船所や舶用工業も含めた海事産業の連鎖的な衰退等にもつながる恐れがある。こうした問題意識を背景として、船舶建造が進まない現状を分析するとともに、老朽船舶から社会的要請に適合した新造船舶への代替を促進するための対策等について検討を行うため、2005年8月以降国土交通省海事局長の私的懇談会として「内航船舶の代替建造促進に関する懇談会」が開催され、同年12月にそれら方策に関する基本的方向性についてとりまとめられた。これを踏まえ、内航海運に関わる関係者が連携しながら、どのようなスケジュールで、どのように取り組んでいくか等を示した「内航船舶の代替建造推進アクションプラン」【資料8-4-1】が20063月にまとめられた。

 

8-4-2 自民党 政務調査会海運造船対策特別委員会 内航海運活性化小委員会

国民経済を支える基礎的産業である内航海運の活性化を図るため、内航海運が抱える諸問題の解決に必要となる方策について緊急かつ集中的に検討を行うことを目的として、自民党では、20063月、政務調査会の特別委員会のひとつ「海運・造船対策委員会(委員長:衛藤征士郎衆議院議員、以下海造特)」のなかに「内航海運活性化小委員会(以下、内航小委員会)」(委員長:溝手顕正 参議院議員)を設置し、5回にわたり検討を行った。

内航小委員会においては、行政の対応、海運、造船業界、荷主業界からのヒアリング等を通して諸問題の洗い出しを経て、2006615日「内航海運活性化についての中間取りまとめ」を行い、「代替船舶建造のための枠組みの構築」として船主競争力の向上と財務改善を図るには、「暫定措置事業の円滑かつ着実な実施のため、追加的資金の導入を検討し、早急に結論を得て実施するとともに、新規建造納付金の引き下げを行うこと」を提言している【資料8-4-2参照】。