【資料3-1-5

20061031

欧州委員会に提出

 

 

海上運送サービスに対するEU競争法の適用について今後発行される欧州委員会のガイドラインに関連し、船社業界との意見交換を通じて提起された論点(Issues Paper)に対する日本船主協会コメント

 

 

海上運送サービスに対するEU競争法の適用について今後発行される欧州委員会のガイドラインに関連し、船社業界との意見交換を通じて提起された論点(2006929日付Issues Paperに対し、日本船主協会は以下コメントを提出する。

 

1.     Issues Paper

 

当協会は、Issues Paperの論調、即ち定期船市場が談合体質にあるとの見方は、ELAA提案の分析全体に影響を及ぼす重大な誤りであり、遺憾に思うものである。業界の全ての関係者は、定期船市場が極めて競争的であると認識している。更に、船社はこれまで法令を遵守してきており、今後もこれを続けていく所存である。

 

2.     ELAA新提案

 

当協会は、船社間協定に対する独禁法適用除外制度は世界各地で極めて適切に機能しており、引き続き維持されるべきものと確信するところであるが、一方、欧州航路における絶対的な最低線としてELAA新提案を支持するものである。同提案は、欧州における今後の体制として実行可能な解決策を提示し、サプライチェーンに関わる全ての関係者に利益をもたらすものである。

特に、当協会は:

-        市況情報の交換制度は、業界の運営に不可欠な情報を供給し、世界貿易の発展を可能とするものである。我々は、タイムリーな情報なくしては事業運営が不可能であると痛感している。

-        船社および荷主への正確な需給予測の提供を確保するため、欧州航路に関するこれら比類ない情報を活用すべきであり、そして

-        貿易の発展を可能とするために需要に応じた供給(スペース)を確保するには、航路状況に関する協議を行うことが必要である。このような協議は、船社と荷主の双方にとって共通の利益をもたらすものである。

 

3.     ELAAによる顧客調査

 

当協会は、ELAAが一連の顧客に対し行った意識調査に注目している。この調査によると、ELAA新提案に対して多くの支持が寄せられており、この点に関し、欧州委員会の注意を喚起したい。

 

4.     結論

 

ELAAは同新提案の競争促進効果を明らかにしており、いかなる反競争的効果に対しても適切な予防手段を提示している。従って当協会は、欧州委員会に対し、絶対的な最終線として、ELAA新提案を原案通り承認し、今後発表するガイドラインに同提案を盛り込むよう求めるものである。これは国際礼譲、法的確実性、そして世界貿易全体にとっての利益にかなうものである。

 

以上