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海運雑学ゼミナール
003 24時間ノンストップ航海の秘密
 一度港を出た貨物船は、なにか致命的な故障でも起きない限り、目的地に着くまで止まらない。では、その船を動かす船員も、毎日24時間、不眠不休で働いているのだろうか。そんなことはもちろん不可能だ。船内の就労体制も、陸上と同じように8時間勤務が原則になっている。ただし勤務形態は、陸上とはだいぶ違っている。その辺の事情を、11名という世界でも最小の人員で運航されていたパイオニアシップを例にみてみよう。
 まず船の運航で最も重要なブリッジでの航海当直。これは運航士(航海士と機関士を兼ねる職員)と船舶技士各1名からなる3つのチームが4時間づつ交代で勤務する。つまり各チームは4時間働いて8時間休むというサイクルを1日2回繰り返すことになる。
 次にエンジンルーム。かつてはこちらも専任の当直があったが、近年の技術進歩でそれをブリッジで行うようになり、運航士の資格を持った1等機関士が朝8時から12時、13時から17時の8時間で、エンジンの点検・整備などを行っている。
 通信長の勤務は朝8時から12時、15時から17時、19時から21時、の都合8時間とやや変則的。司厨長の場合は、クルーの食事時間にあわせ朝6時半から9時、10時半から13時、15時から18時となっている。
 残るは船長と機関長だが、こちらは当直は無いが、24時間執務体制である。
 こうした船員の生活は、陸上で働くサラリーマンと比べればかなり変則的だが、突発事件がなければ、交代のサイクルが正確に繰り返されるため残業がない。この点では、サラリーマンの生活よりも健康的だといえるかもしれない。
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