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海運雑学ゼミナール
004 ロープの結び目から生まれた、船の速力の単位「ノット」
 船の速力を表すのに使われる単位としておなじみの「ノット」。もともとの意味は、ひもやロープの結び目のことだ。それが船の速力を表す単位として使われるようになったのは16世紀頃のこと。ロープに5ファゾム(1ファゾムは6フィート、つまり1.82メートル)ごとに結び目をつくっておき、先端にブイをつけてロープを海に流し、30秒間に繰り出す結び目の数で船の速さを計算したというのがその由来だという。
 しかし現在では、時速1ノットの速力は1時間に1海里進む速さを意味するようになっている。1海里というのは地球の中心角1分(※)に相当する地球表面上の平均距離で、メートル法でいうと1852メートルになる。
 さて、船が自動車などのように時速何キロという単位を使わずに、わざわざノットを用いるのには理由がある。海図の上で距離を調べる場合、図法上の問題で、地図上の距離に縮尺率の分母を掛けても実際の距離は正確につかめない。しかし地球の中心角なら海図上の緯度と経度の線を用いて、A地点からB地点までの中心角を容易に割り出せ、そこから海里単位での直線距離が簡単に計算できる。海里と密接な関係にあるノットを用いる方が、船にとっては便利というわけである。
※:1度は60分。地球1周は360度。従って、1852m×60×360=4万km(赤道一周分)となる。
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