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海運雑学ゼミナール
007 水面下に隠された秘密の突起物―バルバスバウ
 貨物を満載している時は気づかないが、空荷で浮き上がった状態の貨物船の船首をみると先端に球状をした突起物をつけているのに気づく。これはバルバスバウといわれ、米国の造船学者D. W. テーラーが1911年に発明したものだ。
 こうした球状物を船首水面下につけることにより、航走中に船の前面の水圧が上がり、水面が盛り上がる。一方、通常は最もうねりの起こりやすいのすぐ後部の水圧は低くなり、うねりの発生が押さえられる。これにより航走中の造波抵抗が少なくなり、通常の船首の場合よりも、同じ燃料消費量でよりスピードが出せることになるわけだ。
 より経済的に、より速くというニーズに応えて、貨物船をはじめとする船の船体の形状には常に新しいアイデアが加えられ、改良されてきたが、現代の船舶のほとんどに採用されているこのバルバスバウは、そうしたアイデアのなかでも最大のヒットといってよいものだろう。
 ちなみに、第一次大戦当時の軍艦にもこれに似た突起物がつけられたことがあったが、これはラム(衝角)といって戦闘時の敵艦への体当たり用につけられたもので、船の速力とはまったく関係がない。
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