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海運雑学ゼミナール
008 コンテナ船の速力は、市街地だったらスピード違反
 船の速力は、通常何ノットというかたちで表現される。しかし時速何キロという表現を使い慣れていると、何ノットといわれても実際にどのくらい速いかは想像しにくい。そこで現代の代表的な貨物船のスピードをキロメートル換算でくらべてみよう。
 貨物船でいちばん速いのがコンテナ船だ。定期航路はスピードが勝負、航海速力は24ノット前後のものが多い。1ノットは1.852キロメートル/時だから、メートル法では時速44.4キロ。市街地を車で走っていたらスピード違反になる速さだ。
 同じ定期航路に就航する在来型貨物船もこれに次いで速く、時速20ノット(37.04キロ)程度のものが多い。時速37キロといえば市街地を安全運転している速さといったところ。
 一方、タンカーに代表される不定期船はこれよりずっと遅く、時速15ノット前後、つまり時速27.78キロクラスのものがほとんど。不定期船ではスピードよりむしろ積める貨物の量がより重要だからだが、高速を誇る3万重量トンクラス(全長210m、幅32m、深さ21m)の一般的なコンテナ船に対して、こちらは24万重量トンを超すVLCC(全長320m、幅54m、深さ27m)でもこの速度。その巨体からすれば決して遅いとはいえない。
 ところで船の速力は、船体の大きさよりも、むしろエンジンの馬力に左右される。このため例えば3万重量トンクラスのコンテナ船は、その8倍の24万重量トンクラスのVLCCよりずっと大きいエンジンを必要とし、燃料消費量も多い。船のスピード競争は、大きさの競争よりも高くつというわけだ。
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