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海運雑学ゼミナール
018 これはびっくり。天ぷらそばの輸入依存度
 ここ数年来、欧米各国で日本食がちょっとしたブームになっている。魚や大豆製品を中心にした伝統的な日本食は、肉を中心とする欧米の料理に比べ低カロリーで、しかも栄養のバランスのよい健康食だというのがその理由らしい。食文化の輸出なら貿易摩擦にもならないし、日本文化全体への理解にもつながるわけで、大いにけっこうなこと。しかし、私たち日本人自身は、じつはこうした日本の伝統食の原料をほとんど海外からの輸入に依存している。その実情を一杯の天ぷらそばを例にみてみよう。
 まずはそば。原料のそばは国内消費量の90%近くが輸入によってまかなわれている。天ぷらの中身のえびも大部分が外国産。ころもの原料の小麦、しょうゆや天ぷら油の原料の大豆もほとんどを輸入に頼っている。割り箸をつくる木材ももちろん輸入依存だ。つまり天ぷらそば一杯のうち純国産部分は水と薬味のねぎくらいになってしまう。
 天ぷらそばだけではない。9割以上を輸入に頼るえびを筆頭に、60%以上のたこ、50%以上のひらめ、かれいなど、すしネタに欠かせない魚介類の多くも最近は輸入依存度を高めている。そしてその輸入を中心になって支えているのが海運だ。「食」の文化を輸出し、その原料を輸入する。まさに加工貿易立国日本の面目躍如といったところだが、ちょっと皮肉な話ではある。
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