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海運雑学ゼミナール
020 船の進水式は「あたま」から? それとも「おしり」から?
 華麗なマーチが演奏され、シャンパンが割られ、巨大なくす玉がはじける勇壮な進水式。さて進水式のとき、船は「あたま」から水上に滑り込むのだろうか、それとも「おしり」からだろうか。
 答えは「おしり」からである。なぜかというと船は一般的に船首が船尾よりも細くなっている。このため船首は船尾と比べ浮力がつきにくく、しかも造波抵抗も少ない。したがってもし船首を前にして船台の斜面を滑らせると、船体はまず水中に深く突っ込み、そのまま勢いで沖合いまで流れて行ってしまう。ちょうど水泳のスタートの飛び込みのようなかっこうだ。それに船首から進水した場合、舵やスクリュー・プロペラなどが船台を下りる瞬間に、船台の末端に触れて損傷することもある。こうした理由で船の進水は船尾からと決まっている。
 また進水の時点では、できるだけ船体を軽くするため、通常エンジンなどの重い部分はまだ積み込まれていない。それからいったん水に浮かんだのち艤装岸壁から積み込まれる。つまり本当の意味での船の完成は、進水式のさらに後になるというわけだ。
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