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海運雑学ゼミナール
022 世界最大のネットワークに発展したロイド氏のコーヒーショップ
 17世紀末のロンドン。エドワード・ロイド氏が経営する小さなコーヒーショップには、船乗りや海運業者、保険業者がいつもたむろしていた。
 オーナーのロイド氏が熱心に海運に関する情報を集め彼らに提供していたおかげで、彼らはこの店をひいきにし店は繁盛、業者たちもまた一種の情報センターとしてこの店を活用していた。
 ロイド氏の死後もその伝統は引き継がれる。1734年には当時の経営者であるトーマス・ジェムソン氏によって英国の主要港の貿易船の活動状況を報道する週刊誌、Lloyd's Listが発行され、1760年には世界の船級協会の草分けであるロイズ船級協会が発足した。以後ロイズは英国の海運業のめざましい発展とともに保険引受業者組合としての独自に形態を確立し、現在の巨大な組織へと発展していく。
 一杯のコーヒーで結ばれた船乗りや貿易業者の口コミ・ネットワークが、やがてコンピューターや通信衛星を駆使した海運と保険の世界最大の情報センターとして君臨するようになることを当時の誰が予測しただろうか。天国のロイド氏が、今、どんな顔でこれをながめているか想像してみるのも面白い。
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