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海運雑学ゼミナール
026 コンピュータの指令で瞬時に並ぶ4,000匹のメダカの群れ
 右ハンドル車は時計回り、左ハンドル車は反時計周り。左右わずか10センチの車間で車を積付けるPCC(自動車専用船)の荷役では、ドライバーの出入りをすべてハンドルサイドから行う。これが積付けの基本ルールだ。さらに1隻で400〜500種にのぼることもある車種ごとのサイズの違い、複数の積地・揚地での荷役をスムーズにするために配慮されなければならない各港での積み降ろしの順番。PCC荷役では、こうした厄介な制約をすべてクリアした上で、さらに空きをなくし1台でも多く積むことが要求される。こうした複雑な条件をすべて充たした各航海ごとの積付け手順を、車の向きを示す矢印で図示した図面がメダカプラン。メダカの群れが泳いでいる様子に似ていることからこう呼ばれる。
 これを作成するのがストウェージプランナーの仕事で、従来は、船の図面の上に各車種を図面と同縮尺に縮小した紙片を一つ一つ並べ、実際に目で確認しながら行うまさに職人芸の世界。コンピュータ化はまず不可能とみられていた。
 しかし最近のソフトウェア技術の進歩はそれを可能にし、かつて4,000台積みのPCCで優に3日はかかっていたこの作業を、プランナーの簡単な指示だけで、わづか3時間程度で行うシステムが出現した。熟練の「カンピュータ」によってのみ可能だった4,000匹のメダカの調教も、今やすべてコンピュータにとって代わられようとしている。
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