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海運雑学ゼミナール
028 船の速力を2倍にすると燃料消費量は8倍に
 船の速力は一般にエンジンの馬力の3乗に比例する。つまり10ノットで走っていた船を20ノットで走らせるためには8倍の馬力が必要ということになる。馬力が8倍ということは燃料消費量もほぼ8倍。つまり船を高速で走らせるには、燃料コストの極端な増大を覚悟しなければならないわけである。
 しかし逆にいうとこれは、航海速力を必要最小限にまで落とせば燃料コストの大幅な削減が可能であることをも意味する。オイルショック当時、盛んに行われた減速航海はこうした理由によるもので、速力25ノットのコンテナ船を20ノットで運航すれば、1日あたりの燃料消費量は約2分の1に減る計算になる。
 意外に思われるかもしれないが、VLCCと呼ばれる30万重量トンクラスの巨大タンカーは、5万重量トンクラスのコンテナ船よりも出力の小さいエンジンしか積んでいない。これも同様の理由によるもので、最近のコンテナ船は23ノット前後の航海速力が要求される。これに対しタンカーは15ノット程度の速力を出せばいい。船体がいかに巨大でも、速力が遅い分だけ馬力は少なくてすむわけで、当然燃料消費量も少ない。長距離大量輸送のチャンピオンであるVLCCは、経済性の面でもきわめて優れた輸送機関であるということができる。
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