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海運雑学ゼミナール
030 船も運べば列車も運ぶ、海の重量挙げチャンピオン
 日本の代表的な輸出商品としてまずあげられるのが自動車やエレクトロニクス製品。だが石油精製用の蒸留塔や発電機、小型船舶、鉄道車両などの重機械工業製品やエンジニアリング製品も日本の重要な輸出製品のひとつ。単体あたり数百トンに達するこれらの巨大貨物を専門に運ぶ船が重量物専用船だ。
 在来型貨物船の荷役装置の能力はせいぜい50トン程度。これに対し重量物専用船は300トン前後から最大で600トンという能力のヘビーデリック(重量物専用揚荷装置)を備えており、数百トンの貨物を自力で荷役できる。
 船倉に入り切れない長尺貨物を甲板上に積むため甲板は特に頑丈に作られており、船倉内も柱などの構造物をできるだけ少なくして大型貨物の積み込みを容易にしている。また荷役時の重心の崩れを適切に調整する必要から、バラストスペースも在来型貨物船より大きくとられている。見かけは在来貨物船とさほど違わないが、パワーも強度も機能も運ぶ貨物に合わせ一段高いレベルにつくられているというわけだ。
 「親亀の背中に子亀を…」といった格好で、甲板に漁船など小型船舶や列車を乗せて運ぶ重量物専用船の姿は、まさに貨物船の重量挙げチャンピオンといったところ。
 発電所や工業プラント部品、列車、船舶など、途上国の発展に不可欠な重機械・エンジニアリング製品の輸出に不可欠な役割を果たす重量貨物輸送のエキスパートは、今日も豊かな暮らしの夢を世界の国々へと運び続けている。
重量物運搬船船
(プラントの一部を運ぶ重量物運搬船)
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