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海運雑学ゼミナール
038 1日が24時間にならない船内標準時のマジック
 日本が朝のときニューヨークは夕方、ロンドンやパリは夜中だ。これを同一の時刻であらわしては不都合なので、それぞれの国や地域ごとに、太陽が南中する時刻が正午となる標準時が用いられるのはご存知のとおり。では世界の海を航行する船の上ではどのような時刻を使うのだろうか。
 まず港に停泊しているときや沿岸を航行しているとき。この場合は、その主権国の標準時を用いる。しかし公海上を航行しているときはそうはいかない。そこで一般の商船では、世界各地で標準時を定める方法と同様、現在地で、その日の正午に太陽が真上にくるような標準時を採用する。
 ただし、丸い地球の上をつねに移動している船では、この標準時を毎日進めたり遅らせたりしなければならない。船内では、1日1回ないし2回、こうした時刻の整合が行われるが、これによって実質的な1日は、西に向かうか東に向かうかで長くなったり短くなったりする。
 そこで、例えばクルーズ客船の乗客にとっては、西に向かうコースを選んだ方が1日を24時間以上楽しめ、得をする計算になる。逆に船で働く船員にとっては勤務時間が長くなり損ということになる。ただし、こちらはほとんどの場合、往路と復路で相殺されるので問題はないというわけである。
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