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海運雑学ゼミナール
039 1週間を1泊2日に短縮したコンテナ船のスピード荷役
 スマートな船体に色とりどりのコンテナを整然と積み上げて、高速で北米や欧州、オーストラリアなどと日本の間を行き来するコンテナ船。いまや国際定期航路の主役となったこのコンテナ船の出現は、近代の海運史における最大の革命の一つといえよう。
 海上コンテナ輸送の最大のメリットは、港湾での荷役効率の飛躍的な向上にある。さまざまな雑貨を本船のデリックのみで荷役する在来型定期船では、荷役装置1基の扱い量は1時間に約50トン、20フィートコンテナ換算で約2.5個にすぎないが、陸側に設けられたガントリークレーンと呼ばれる水平移動型クレーンによるフルコンテナ船の荷役では、1基が毎時20〜30個を扱う。
 このため、在来船の最終港での標準的な在港時間は天候の影響等もあり、約1週間といわれるのに対し、コンテナ船では、通常1泊2日程度である。
 精密機器や電子製品、肉類、果物、ワインなど多様な荷姿の貨物をコンテナという規格化された箱に収めることで達成されたこの効率化には、さらにもうひとつの効果も加わる。トラックや鉄道など陸上輸送機関との連係による海を越えたドア・ツー・ドア輸送の実現である。
 こうした特徴を生かし、北米大陸を横断するダブルスタックトレイン(コンテナ2段積み大陸横断鉄道)の日本船社による直接運行やシベリアランドブリッジなどの大規模な海陸複合一貫輸送が実現。北米や欧州の内陸部への輸送も一段と効率化され、まさに地球を一つの都市にしたようなきめ細やかな物流ネットワーックが生まれている。
コンテナ船
高度に機械化されたコンテナ船の荷役(シンガポールでの荷役風景)
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