日本船主協会

トップページ海運雑学ゼミナール

海運雑学ゼミナール
041 VLCCのエンジンの馬力は、10トントラック約100台分
 現代の船の推進機関は、タービン機関、ディーゼル機関、電気推進の3種類に大別される。タービン機関は、ボイラーで燃料を燃やして高温高圧の蒸気を発生させ、これを金属製の羽根に吹きつけて回転させる方式。高速が出せ、振動が少ないのが特徴だが、一方で燃料消費量が多いという難点がある。
 ディーゼル機関はバスやトラックに使われるものと同じで、タービン機関より歴史は新しい。馬力の点でタービン機関にやや劣り、振動、騒音が大きいという弱点もあるが、燃料効率が高く、経済性に優れている。第2次大戦後、高馬力のディーゼル機関が開発されてからは、タービンに代わり船舶用エンジンの主力の位置を占めるようになった。
 電気推進は、ディーゼル機関やタービン機関で発電機を回し、その電力でモーターを回す方式。タービン同様高速船に向くが、燃料効率はやはりディーゼルに劣る。
 ところで、こうした船のエンジンの馬力はどのくらいだろうか。例えば30万重量トンのVLCCでも3〜4万馬力。相当大きな数字に聞こえるが、これは10トントラックで比較すると約100台分にすぎない。つまりトラックならトン当たり約35馬力必要なところを、VLCCは、わずか0.1馬力で済んでしまう。全長300メートルを優に越え、日本の原油消費量の約半日分を一度に運んでしまう巨大なVLCCが、14ノット(時速26キロメートル程度)とスピードこそ違うが、この程度の馬力で、しかも24時間休みなく走ることを考えれば、輸送機関としての船の経済性の高さが納得させられる。
前のページへ海運雑学ゼミナールタイトル一覧へ次のページへ