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海運雑学ゼミナール
044 船底部に塗られた赤い塗料の秘密
 鋼鉄でできた船を、そのまま海水中に浮かべておけば、海水の塩分でわずか2、3日のうちに表面に赤錆が生じてしまう。このため船の主要部分はすべて錆止め塗料を下地に塗り、その上に仕上げの色彩塗料という二重塗装によって、ガードされている。
 しかし船体が海水に直接接触する喫水線付近から下の船底部分に関しては、これだけではまだ不十分。この部分は、船が港などに停泊している間に、カキやフジツボなどの貝類や海藻類が付着しやすく、こうした付着物は、船体の水中抵抗を増加させ、スピードや燃料効率を低下させる船の天敵となっている。
 そこで、これを防ぐために1930年代に開発されたのが、AF(Anti-Fouling) 塗料と呼ばれる貝類や海藻の付着を防ぐ特殊な有機化合物を混ぜた塗料。貨物船などの喫水線付近から下の部分に塗られている赤い塗料がそれで、現在では世界中のすべての鋼船に使われている。
 船体の上と下を塗り分けたあのハデなボディ-・ペインティングは、別におシャレのためではなく、親しげに近づいてくるカキやフジツボたちにわざと嫌われるための苦肉の策だったわけである。
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