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海運雑学ゼミナール
046 離着岸時の操船をサポートする水面下の「カニの横ばい」装置
 船首に近い船側の水面に白い気泡を湧き立たせながら、徐々に船体を横移動させ、接岸・離岸する船を見たことがないだろうか。これは最近の大型客船やフェリーなどにほとんど装備されているサイドスラスターと呼ばれる装置の働きによるもの。
 船首または船尾近くの水中部分に、進行方向と直角に船体を貫通しているトンネルがあり、そのなかにスクリュープロペラが収められ、離着岸の際、これを回転させることで、船はちょうど「カニの横ばい」のように横方向に移動することができ、タグボートを必要としないか、または数をより少なくして操船することができる。船首近くにあるものをバウスラスター、船尾近くにあるものをスターンスラスターとも呼んでいる。
 普通は、水面下のために見えないが、この装置を持つ船の船腹には、丸の中に三角形の四つの羽根を配したマークがついており、その直下にサイドスラスターがあることがわかるようになっている。
 このほかにも、船の水面下の部分には、船の横揺れを少なくするフィンスタビライザー(横揺れ防止装置)や、造波抵抗を少なくするバルバスバウ(球状船首)など、さまざまな工夫が施されている。離着岸時のデリケートな操船を、より安全に行うことを可能にしたこのサイドスラスターもまた、そんな縁の下の力持ちの一つといえよう。
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