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海運雑学ゼミナール
050 時速93キロの超高速貨物船、テクノスーパーライナー
 1,000トンの貨物を積み、現在のコンテナ船の約2倍に当たる50ノット(時速93キロ)で航行する夢の超高速貨物船「テクノスーパーライナー(TSL)」が、日本で開発された。ジェット機よりも安く、コンテナ船よりも速い新しい輸送機関として位置づけられるもので、21世紀には、日本国内や近隣アジア諸国との海上輸送の大動脈となることが期待されている。
 開発上の最大の壁は、大気中の800倍という海水の抵抗。これを小さくするために考えられる方法は、水中翼方式とホーバークラフト方式だが、現在実用化されている両方式の船の積載重量は数十トンから百トン程度。貨物輸送に使うには船体を持ち上げる力も推進力も小さすぎる。
 そこで、採用されたのが、流線形をした空洞の「浮体」を水中翼の両側にとりつけ、揚力と浮力、それに空気圧力の組み合わせで船体を持ち上げる方法。推進にはジェット旅客機と同じガスタービンエンジンを用い、浮体の先端から吸い込んだ海水を高速で後方に噴射して航行するというものだ。
 TSLは1994年に完成。「飛翔」と名付けられ、実際に貨物を積んで長距離航行実験などを行った。現在は改装され、「希望」と名を変えて静岡県のカーフェリー兼防災船として活躍している。
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