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海運雑学ゼミナール
054 砂漠で燃えていたガスを低温液化輸送で有効活用
 家庭用プロパンガスなどの原料としておなじみのLPG(液化石油ガス)には、精油所での石油精製の過程で発生するガスと、原油の随伴ガスからNGL(天然ガソリン)を分離する際に発生するプラントガスの2種類がある。
 現在わが国に輸入されているLPGのほとんどはプラントガス。つまり、かつては適切な輸送手段がなく、そのほとんどを油田で燃やしてしまっていた随伴ガスから生産されるものだ。
 この随伴ガスが新しいエネルギー資源として注目を集めるようになったのは、1960年代に入ってから。日本が世界に先駆けて当時の最新技術による大型の低温液化型LPG船を就航させ、同時にサウジアラビアやクウェートで随伴ガスによるLPGプロジェクトがスタート、日本がその輸入を開始してからのことだ。これを皮切りに、アブダビ、アルジェリアなど他の産油国が、相次いで日本や西欧への輸出用LPGプロジェクトをスタートさせ、LPGは一気に世界規模のマーケットを形成するに至った。
 かつて中東の油田で、大きな炎をあげて燃えていた石油随伴ガスを、貴重なエネルギー資源として利用することを可能にした低温液化式LPG船。地球規模のエネルギー物流を支え、その活躍は今日も続いている。
LPG船
(プロパンやブタンなど石油ガスを液化したLPGを運ぶLPG船)
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