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海運雑学ゼミナール
055 時代によって変わってきたタンカーのニックネーム
 あらゆる貨物船の中でも、いちばん巨大化が進んだのが原油タンカーだ。現在、主流となっているのはVLCCと呼ばれるタイプだが、その主力は25万重量トンクラスから30万重量トンクラスに代わりつつある。世界最大クラスとなると50万重量トンを超えるものも出現した。その他の船種も同様に大型化が進んだが、原油タンカーに次いで大きい鉱石専用船でも、中心的な船型は12〜15万重量トン。最大クラスでも25万重量トン前後で、タンカーに比べれば一回り小さい。
 こうしたタンカーの巨大化は、もちろん一挙に進んだわけではない。戦後間もない時期のタンカーは1万6,000重量トンクラスが主力だった。1940年代後半から大型化が始まり、そのころ登場したのが「スーパータンカー」と呼ばれた3万重量トン以上のタンカー。それがやがて6万重量トンを超えるようになると、ニックネームは「マンモスタンカー」に変わる。
タンカーの大型化はその後も続き、1960年代後半には、20万重量トンを超えるものも現れる。しかし「マンモス」をはるかに超える超巨大船となるとニックネームの考案も難しい。そこで20万重量トンを超えるタンカー新しい呼び名として登場したのが「VLCC (Very Large Crude Carrier)」(20万重量トン以上、30万重量トン未満)と「ULCC (Ultra Large Crude Carrier)」(30万重量トン以上)だった。
 タンカーの巨大化の歩みは、ULCCの登場で終止符を打つ。造船技術的にはもっと大きいものが可能でも、採算や運航効率の面では不利となるためだ。
 とはいえ、人間が生んだ海の王者、原油タンカーの巨大化の進展には、かつての陸の王者マンモスも、まったく歯が立たなかったというわけである。
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