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海運雑学ゼミナール
057 東京湾上の鋼鉄の島が飲み込む年間3,600万キロリットルの原油
 毎日絶え間なくわが国に運び続けられている年間2億5,000万キロリットルという膨大な原油。しかし陸上からその荷役の姿を目にする機会はあまりない。それはタンカー荷役が、ほとんどの場合沖合はるかにつくられた、シーバースという専用の施設で行われているからだ。
 こうした沖合での荷役方式がとられるようになった最大の理由は原油タンカーの大型化にある。陸地につくられた港は水深が浅く、VLCCなどの巨大タンカーは入港が不可能。必然的に沖合にバースを建設せざるを得なくなったわけだ。その代表例の一つが、1968年に完成した千葉県袖ヶ浦の沖合約8キロメートルに浮かぶ京葉シーバース。全長470メートル、幅54メートルの巨大な人工島だ。
 水深20.5メートルの海底に直径0.6メートルから1.5メートルの大小255本の鋼管杭を海底下30〜40メートルまで打ち込み、その上部に荷役設備や監視室、作業用のプラットフォームなどが建設されている。直径48インチ(約1.2メートル)、最長14キロメートルのパイプラインで、京葉工業地帯の4ヵ所の製油所と結ばれており、バルブの切り替え一つでどの精油所にも原油が送れるようになっている。
 年間原油取扱量は約3,600万キロリットル、着桟するタンカーは年間100隻以上。無数の鋼のパイプで組み上げられた人工の島は、今日も経済大国日本の膨大なエネルギー需要を支えるインターフェイスとして活躍している。
タンカー
(京葉シーバースで荷役中の原油タンカー)
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