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海運雑学ゼミナール
058 船のスクリュープロペラが必ず後につくのはなぜ?
 飛行機(プロペラ機)では、プロペラは機体の前につけるのが常識。しかし船の場合、外輪船の時代を除けば、プロペラは船体の後につくのが常識だ。なぜ前につけてはいけないのか。
 船の推進を妨げる抵抗でいちばん大きいのが造波抵抗。ところがプロペラを前につけると、その回転で船の周囲にたくさんの乱流ができ、船全体が波に囲まれたような状態になる。この波のせいでスピードが大きくダウンしてしまうわけだ。
 さらにもう一つの理由が、事故などの際の安全への配慮だ。もし暗礁に乗り上げたり、他船と衝突したりした場合、前についていると最初にプロペラが壊れ、操船不能になる。これは船にとって致命的だ。
 潜水艦や海底調査船などでは、船体の前部に特殊なプロペラをつけたものもあるが、これはごくまれなケース。技術革新はしばしば常識への挑戦から生まれるが、船の長い歴史の中で、この常識に挑戦した例がほとんどないことをみれば、やはり後部プロペラの方式が理にかなっているということなのだろう。
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