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海運雑学ゼミナール
059 古着から鋼材まで、何でも計る検量業者は積荷の公式記録員
 在来貨物船の場合、運賃は個々の貨物の重量と容積のどちらかによって決まる。例えば綿のように軽くかさばるものは容積を、鋼材など容積の割に重い貨物は重量を運賃の基準にする。検量はそのための正確なデータを測定する、いわば積み込み前の貨物の身体検査だ。
 検量を行うのは、国土交通省の許可を受けた公益法人である検量業者で、作業に携わる検量員も、国土交通省が発行する検量人手帳の所有者に限られる。つまり検量制度は、船主からも荷主からも独立した第三者が貨物の測定と証明を行うことにより、運賃算定上の公平を期するための制度なのである。
 さてその方法だが、まず重量に関しては、小型の貨物なら普通のはかりで計れる。しかし数十トンを超すものになると専用の大型はかりが使用され、さらに、100トン近くなれば、クレーンで吊り上げて計る特殊な重量物用はかりが用いられる。
 容積の判定はさらにデリケートだ。古着の梱包などサイズが不定な貨物は、抽出されたいくつかの貨物を計測しその平均をとる。また裸積みのトラクターなど突出部の多い貨物では、寸法の取りかた一つで容積の算定が大きく変わるため、突出部が取り外しや折りたたみ可能か、他の貨物の積載にどの程度影響するかなどの微妙な判断が要求される。こうした作業用の計測用具も「曲がり尺」「はさみ尺」「メジャーポール」など用途に合わせ多彩だ。
 ところでこの検量制度、香港、韓国などで一部行われている以外は、世界にも例を見ない日本独自のもの。こんなユニークな制度の存在もまた、日本海運の高い信頼性を支える秘密の一つといえよう。
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