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海運雑学ゼミナール
066 乗組員わずか11名で動く日本の外航貨物船
 ブリッジからのエンジン遠隔コントロール、人工衛星を利用した衛星航法システム、このシステムとの組み合わせで船が自分で最適な航路を保持する自動操舵装置、貨物の積み込み、積み下しがブリッジから監視できるモニター装置…。コンピュータをはじめとする新しいテクノロジーを生かした最近の海運の技術革新には目をみはるものがある。
 こうした成果をフルに活用し、人数や職務の分担を見直すなど乗組員体制の少数精鋭化を目指してきたのが1977年から開始されたわが国の近代化船プロジェクト。その結果、通常22〜23名で運航されている外航貨物船が、A船18名(1986年)、B船16名(1988年)、C船14名(1990年)と乗組員の小数化を進め、1993年にはP船(パイオニアシップ)11名という世界最小の乗組員で運航できるまでになった。(P船は一時32隻を数えたが、2000年末までには、全て混乗近代化船に移行した)
 こうしたことはもちろんハード面での技術進歩があってはじめて可能になったことだが、忘れてならないのはそれを活用するソフト面、つまり世界に誇る日本人船員の高度な技術だ。
 ハードウェアが進歩すればするほど、それを扱う人の能力も、より高度で広範囲なものが求められるようになる。技術進歩のさまざまな成果と、それを生かす人の知恵をより高度に結びつけることによって生まれた日本海運の優れた伝統は、国際化の進む物流最前線で、今後、さらに効率的で付加価値の高い輸送を実現していくはずだ。
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