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海運雑学ゼミナール
068 鉄鉱石も石炭も積む特技の秘密はジャンピングロード
 わが国の鉄鉱石輸入では、鉄鉱石専用船のほか、鉄鉱石と原料炭のいずれも積める鉱/炭兼用船が用いられることが多い。鉱/炭兼用船は構造面からみれば、比重の大きい鉄鉱石を積むために、船倉の一部が強化されている以外は、荷崩れを防ぐためのトップサイドタンクをもつ点など一般ばら積み船(バルクキャリア)と何ら変わるところがない。
 しかし船倉容積が、船倉中央部のスペースだけを使っている鉄鉱石専用船よりも大きいため、石炭なら船倉に満載できても、比重が大きい鉄鉱石では、全船倉に満載すると満載喫水線をはるかにオーバーしてしまう。それを避けるためにすべての船倉に少しずつ積み付けると、今度は重い鉄鉱石がすべて船体下部に集まって、ボトムヘビーと呼ばれる不安定な状態になり、横揺れが激しくなる。
 そこでとられるのがジャンピング・ロード(jumping load)またはオルタネートロード(alternate load)と呼ばれる方法だ。一つおきの船倉に、鉄鉱石を強度上許される限度内でなるべく上まで積み付け、残りの船倉は空にしておく。これによってボトムヘビーの問題を解消することができるわけだ。もちろん鉄鉱石を積み付ける船倉は設計段階であらかじめ決まっており、この部分は部材や構造面で他の船倉より強化されている。
  こうした工夫によって遠い外国からの効率的な原材料輸入を可能にした鉱/炭兼用船は、鉄鉱石専用船とともに、世界有数の鉄鋼生産国日本の、旺盛な食欲を今日も支え続けている。
鉱炭兼用船
(鉄鋼原料の鉄鉱石や原料炭を運ぶ鉱炭兼用船)
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