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海運雑学ゼミナール
069 「ギャング」の意味は海と陸とでこんなに違う
 陸の世界で「ギャング」といえば、黒いサングラスにマシンガンの悪者として解されるのが普通。しかし海事用語の世界では、ギャング(gang)は「船内荷役作業員のグループ」、「港湾労働者の一団」を意味し「悪党」というような意味はまったく持っていない。現在では、主に「荷役作業員の1ユニット」を意味する用語として使われている。
 もともとの語源はドイツ語やオランダ語で「行進」、「行列」を意味する言葉。 これから派生して、行進や行列をする集団をギャングと呼ぶようになった。 オランダ語では、現在でもgangは「行進」、「歩調」、「通路」の意に用いられるが、こうしたオランダ語が、船員の交流を通じてイギリスに渡り、海事用語としての「船内荷役作業員のグループ」を意味するようになったようだ。
 このほかにもgangboard(船と陸または埠頭の間に渡された踏み板)、gangway(舷門)など、本来の「通路」を意味する海事用語としても使われている。
 悪者の方のギャングも同じ語源だが、どうしてこういう使われ方になったかは定かではない。たぶんgang of thieves(盗賊団)といった表現から、gangの部分だけが独立して悪者の意味をもつようになったのだろう。ともあれ、海と陸とで、これほど意味が違ってしまう言葉もめずらしい。
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