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海運雑学ゼミナール
076 外航客船:売れ残り分で始まった五色の紙テープ
  「蛍の光」の演奏とドラの響き。そして送る人と送られる人を結ぶ五色の紙テープ。客船の出港時には欠かせない風景だ。
しかし、この紙テープで送迎する習慣が始まったのは比較的最近のこと。英国で、古くから捕鯨船の出帆時にマストや旗竿から赤や青の長いリボンを吹き流して豊漁を祈る習慣があった程度で、客船出港時のセレモニーとして紙テープが使われることはなかった。
 これが普及したきっかけは、1915年のサンフランシスコ万国博覧会。日本のある商社が、そこに商品包装用として五色の紙テープを出品した。ところが布のリボンで商品を飾る習慣のある西洋人には、結局受け入れられなかった。
 そこで、ある日本人の移民商人が一計を案じ、売れ残った紙テープを安く大量に買い取り、「客船出港時に、最後まで別れを惜しむ握手の代わりに」と宣伝したところ、大いに当たり、それから世界中に広まったというのである。
 まさに「ひょうたんから駒」といったアイデア商品だったわけだが、これも日本が世界に果たした貴重な文化貢献の一つといえるかもしれない。
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