日本船主協会

トップページ海運雑学ゼミナール

海運雑学ゼミナール
079 コンピューター技術が進んでも、六分儀は海の男の心のシンボル
  周囲は見渡す限りの大海原。目印も何もない海の上で、船の位置を知るには、現在ではレーダーや人工衛星の電波をコンピューターで処理する最新の技術が使われている。
 しかしこうした装置がなかった時代は、まさに「天に頼る」しかなかったわけで、太陽や星を見て船の位置を知る「天測」が、現在位置を知るための唯一の技術だった。そこで活躍したのが、「六分儀」で、紀元前150年ころに、ギリシャの天文学者ヒッパルコスが発明したアストロレイブというものがその起源。長い間、天文用と航海用の測定器として使用されてきた。特に航海専用として数多くのものが工夫され、素材や精度の改良が進んだが、原理的には、最初のものとまったく変わっていない。誕生したとき、すでに完成された道具だったのである。
 六分儀は、電子機器が使用不可能になった時に備えて現在も法定備品として必ず船に設置されているが、実際に使用する道具というより、むしろ海運の伝統を示すシンボルとして船乗りの心の中に生きているといえよう。
前のページへ海運雑学ゼミナールタイトル一覧へ次のページへ