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087 チップ専用船:チップの森林資源節約効果
 森林資源の乏しいわが国は、紙の原料となる木材の約80%(2000年)を海外に依存しており、現在は、そのほとんどをチップのかたちで輸入している。このチップ輸送の主役として活躍しているのがチップ専用船だ。
 チップとは、マッチ箱の半分くらいのサイズに切り刻まれた木片だが、こうしたかたちで輸入するメリットは二つある。
 一つは、穀物などのように、船倉内にばら積み貨物としてそのまま積み込めるため、荷役やラッシング(固縛)に手間のかかる丸太状の原木より輸送効率が高いこと。もう一つは、丸太状に均一に整形することが困難な間伐材、虫害木、被害木などのいわゆる低質材や製材工場から出る廃材、残材が利用でき、森林資源の節約にも役立つことである。
 現に輸入・国産を問わず、わが国で用いられるパルプ用木材の90%以上は、建築材料として利用できない低質材や残材によってまかなわれている。
 限りある森林資源を大切に使うことは、世界最大の木材輸入国である日本に 課せられた重大な使命。一方で、紙は、私たちの暮らしに欠かせない重要な基礎素材でもある。チップ専用船は、その原料の安定供給を支えながら、森林資源節約にも一役買っているというわけだ。


チップ専用船
(パナマ運河を通航中のチップ専用船)
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