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海運雑学ゼミナール
089 大洋を航海中の船が津波の被害を受けない理由
 つい最近、ニカラグアで、津波による大きな被害があり、高さ十数メートルの巨大な津波が、海辺の街々を一挙に破壊するすさまじい脅威が、テレビのニュースなどで報道された。1960年に、太平洋を一気に越えてわが国を襲い、三陸地方や北海道東部に大きな被害をもたらしたチリ地震津波を思い起こした人も多いことだろう。
 海底や沿岸部での地震や海底火山の爆発によって生まれた巨大なうねりが、時速数百キロのスピードで海を渡り、沿岸部を襲う現象が津波。当然、その途中の海洋を航行している船舶もいるはずだ。しかし、陸地での津波の被害はよく聞くが、大洋上での船舶の被害は聞いたことがない。
 なぜかというと、津波の波高は、海岸に近づくと急に大きくなり、猛烈な勢いで陸地に押し寄せるが、水深の深い大洋上では、津波の波長は160キロメートル以上、波高は1メートル程度に過ぎない。このため津波が通過した海上に船舶がいても、陸地から十分に遠ざかっているかぎり、ほとんど何も感じることはないというわけだ。
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