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海運雑学ゼミナール
098 国際物流の信頼性を支える検数員の鋭い眼差し
 貨物船によって運ばれる大量の輸出入貨物。その貨物の受け渡しにともなって、数量、品名、荷印、損害度合いなどを点検し、受け渡しの確認を行い、その証明書を発行する仕事が検数業務だ。
 検数業務は、港湾運送事業法に基づく行為で、国土交通大臣の認可を受けた公益法人である検数業者が行う。正確さと、公平さを期するために、船社側(シップ・サイド)と荷主側(ドック・サイド)それぞれの委託を受けた検数人の手で二重にチェックされ、最終的に双方の結果をつき合わせ、問題がなければ受け渡し手続きが行われる仕組みだ。
 現場で実際の検数業務を行う人(検数員)は、チェッカーまたはタリーマンと呼ばれる。荷役の進行中は各ハッチに立って、素早く個数を数え、貨物に損傷があればその状態を記録し、船倉内の積み込まれた位置も記載する。これらを記録した書類がタリーシートだ。
 総責任者であるチーフ・チェッカーは、このタリーシートに基づき、本船のどこに何が何個積載され、重量は何トン、積み地、揚げ地はどこということが一目でわかるストウェージ・プラン(積み付け図)をはじめ、様々な船積み書類を作成する。
 本船の出港は、通常荷役終了後30分〜1時間。この短時間の間に、貨物受け渡しに必要なすべての書類の作成を行うという、極めて高度な事務処理能力が要求される仕事だ。
 第三者機関による二重チェックという方式は、日本独自のもの。国際物流の最前線で、日々行き交う膨大な量の貨物の一つ一つを確実にチェックする経験豊かな検数員たちの鋭い眼差しは、日本海運による輸送の信頼性を支えるうえで、極めて重要な役割を果たしている。
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