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海運雑学ゼミナール
099 冷凍運搬船:果物を冬眠させて運ぶ、ハイテク生鮮輸送
 果物や野菜類、魚介類、牛肉、豚肉などの食肉……。私たち日本人は、こうした数多くの生鮮食品を海外に依存している。これらの輸入生鮮食品を、それぞれ最適な温度で保冷しながら運び、日本の豊かな食生活を支えている船が冷凍運搬船だ。
 近年は、この冷凍運搬船による輸送にも次々に最新の技術が取り入れられているが、とくに最近重要度が高まっているのが、CA(コントロールド・アトモスフィア/調整大気)という技術。酸素を窒素など他のガスに置き換え、大気中の10分の1程度の酸素濃度で果物や野菜を冬眠状態にし、成熟を遅らせて運ぶもので、この状態だとリンゴなどは半年以上も長持ちする。
 またコールドトリートメントも、最近注目を集めている技術の一つだ。地中海ミバエなど果物の中に潜んでいる害虫を、輸送中の温度の微妙なコントロールによって殺すもので、これには非常に厳密な温度管理が要求される。
 強力な冷凍装置や空調装置で、船倉内の温度やガス状態を自在にコントロールしながら、鮮度を損なわずに運ぶそのユニークな機能は、いわば海を走るハイテク冷凍倉庫。日本の豊かな食生活を支え、冷凍運搬船は今日も世界の海で活躍している。
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