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海運雑学ゼミナール
104 原油流出を未然に防ぐタンカーの二重船殻化
 1992年3月、IMO(国際海事機関)の海洋環境保護委員会で、新たに建造される原油タンカーのダブルハル(二重船殻)化の義務づけと既存タンカーの使用年限を制限する海洋汚染防止条約(MARPOL条約)の改正案が採択された。
 これは1988年にアラスカ沖で起こった「エクソン・バルディス号」による原油流出事故をきっかけに、まず米国でタンカー二重船殻化の法案が成立。その後世界各国で、タンカーの安全性確保に関する議論が高まったことを受け、IMOで検討が進められていたものだ。
 二重船殻とは、船体の側壁と底部を二重構造にし、衝突や座礁で外側の壁が破れても、内側の壁によって積み荷である原油が流出しないようにする構造。より危険性の高い化学製品を運ぶケミカルタンカーなどでは、すでに採用されていたが、地球環境に重大な影響を及ぼす原油の大量流出事故を防止するためのハード面からの安全対策の徹底には大いに期待が寄せられる。
 しかし船を運航するのはあくまで人。乗組員の教育を含めたソフト面の充実があってはじめてこうしたハード面の強化も生きてくる。
 クリーンな地球環境を守り、次世代に伝えるためにも、ソフト・ハード両面での安全運航のより一層の徹底は不可欠な課題といえるだろう。
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