日本船主協会

トップページ海運雑学ゼミナール

海運雑学ゼミナール
106 空砲発射は「敵意なし」のサイン
 軍艦が外国の港を訪れたり、国の元首や首相、将官などの公式訪問を受ける場合、空砲を発射して敬意を表すのが帆船時代からの国際儀礼として現在も行われている。しかしたとえ空砲でも、やはり大砲は大砲。これを発射することが、なぜ敬意の表現になるのだろうか。これには理由がある。
 昔の大砲は、一度発射すると次の発射までに相当時間がかかった。発射の反動で大砲はずり下がる。もう一度発射するためには、砲身の内部を掃除し、筒先から砲弾と火薬を押し込んで、さらにずり下がった大砲を元の位置に戻し、導火線に火をつける、という手間のかかる作業が必要だった。
 つまり船に積んである大砲を一度に全部発射してしまえば次の発射は当分の間できない。これは攻撃の意志がないことを意味し、このことによって間接的に相手に対する敬意を表現したわけである。
 無数のハイテク兵器がひきもきらず夜空を飛び交ったあの湾岸戦争のイメージからは想像もつかない、のどかな時代ならではの話である。
前のページへ海運雑学ゼミナールタイトル一覧へ次のページへ