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海運雑学ゼミナール
108 釣り道具は積んであっても釣った魚は食べられない?
 船に積まれる救命艇や救命いかだの艤装品は「船舶救命設備規則」によって定められているが、この中には釣り糸、錘、ルアーなど「釣り道具一式」も含まれている。
 漂流中は、これらの道具を使って食糧を補給することも可能なようにという配慮からだが、ここで問題がある。
 人間は、普通の生活なら、新陳代謝によって体の組織を絶えず更新していくために、たんぱく質の摂取が必要だ。ところが新陳代謝を円滑に行うには水分が不可欠。飲料水の乏しい救命艇や救命いかだの中では、たんぱく質の多量摂取はかえって体に悪影響が出るとされている。このため、救難食糧は糖を中心に作られ、飲み水なしに摂取しても問題がないように工夫されている。
 そういうわけで、漂流中は、予期せぬ釣果が上がっても、むやみに食べず、雨降りの後など飲み水が十分あるときに優先して食用にし、それ以外は、救難食で飢えをしのぐよう指導が行われている。
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