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海運雑学ゼミナール
109 コンクリート製の船が水に浮く?
 鉄でできた船が水に浮くのが、理屈では分かっていても感覚的に納得できないという人は多い。それではコンクリートでできた船は水に浮くか、ということになると、おそらくほとんどの人が首をかしげるだろう。
 ところが、欧米では、第一次世界大戦中、鋼材の節約を目的にかなり大型のコンクリート船が建造され、日本でも、太平洋戦争中に同様の目的で貨物船3隻(800総トン2隻、265総トン1隻)が建造され、実際に使用された。
 船体の外型を木材で造り、内側に鉄筋を配置し、さらにその内側に船体の内型を木材で造り、その隙間にコンクリートを流し込むという工法である。
 鋼材の節約という面以外でも、コンクリート船にはいくつかのメリットがあった。建造期間が短く建造費も安く済んだこと、修理が簡単なこと、断熱性が高いこと、振動が少ないことなどだ。
 しかし最大の欠点は重いことで、当然速力も出ず、燃費も悪く、その後建造されることはほとんどなくなった。とはいえ、「カチカチ山」の狸の泥舟と比べれば、その実用性ははるかに高かったわけである。
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