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海運雑学ゼミナール
111 測り方さまざま、船の速力の種類
 船の速力には、その算出方法によっていろいろの種類がある。
 まず「最大速力」だが、これは、完成直後の試運転の際に速力試験を行って測定するもので、船が貨物を一切積まない最も軽い状態で、最良の燃料を使い、エンジンをフルパワーで回転させて計測する。文字どおりの最高速力で、このスピードで走ることは船の一生中ほとんどないが、船の基本性能を知る上での重要データとなるものだ。
 次に「航海速力」。こちらは船が実際に貨物を積んで航海するときの最高速力で、波浪や船底の汚れなどによる速力の低下を考えて余裕をみた定格馬力の85〜90%を機関出力とし、積み荷状態は、貨物船では満載状態、客船では4分の3または2分の1載貨の状態で算出される。
 「経済速力」とは、一定の距離を最少の燃料消費量で航行できる速力で、運航採算の点で、たいへん重要な速力である。
 さらに「定期速力」というのもある。これは、どんな風波や潮流の場合でも、時間通りに航走することができる速力で、時刻表通りの定時運航が要求される連絡船などの場合重要な速力だ。貨物の多少や天候の変化で推進効率が低下しても必要な速力が出せるよう機関出力には相当の余裕をとる。
 また船の性能を直接示す数字ではないが「平均速力」という概念もある。 これは1昼夜の航走距離を24時間で割ったもので、例えば航海中のある船の航走距離が360海里だとすれば、その日の平均速力は360÷24=15ノットということになる。
 気象や潮流など、時々刻々条件の変わる海を舞台に、より経済的に、より安定した輸送活動を行わなければならない船では、速力の概念も、このように複雑なものにならざるをえないのである。
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